41歳、幸せのシナプス [41歳:チーズケーキ]
「あなたのマドレーヌは何ですか?」
「それはチーズケーキです」
プルースト『失われた時を求めて』で、
幼少の記憶を呼び覚ます引き金のアイテムとして登場する、マドレーヌ。
そこから、フランス語では「昔の記憶を呼び覚ますもの」という意味の慣用句として使われるようになったとか。
...って、グレーテルのかまどで言ってました。
そこで、冒頭の禅問答となるわけです。
リネンの思い出の味は、チーズケーキなのです。
まだ未就学児であった頃、誕生日に母が焼いてくれたチーズケーキは、
周囲にレーズンを飾った見た目から、
「たいこのケーキ」と我が家では呼んでいました。
「たいこのケーキ」というキーワードに引っ張られて、
記憶の引きだしが、あちこちでガタガタと開きます。
住んでいた部屋の間取り。
母のミシンがおいてあった位置。
そのミシンで服とか縫ってくれて、余り布でリカちゃんにもお揃いの服を縫ってくれて。
植え込みでクモの巣にかかったチョウチョを助けたこと。
雪の日に父と巨大な雪うさぎを作ったけど、今思うとあれカピバラそっくりだったなってこと。
近所のスーパーに、グリコ森永製品が帰ってきた日のこと。
さて。
リネンは基本的に「人生で常に今がいちばん楽しい」派なので、
あの頃はよかった子どもの頃に戻りたい、ってなことはそんなに思わないのですが、
それにしても、ここ2~3ヶ月の、世界の変わりっぷりったらどうよ!?
去年のラグビーW杯は楽しかったなあ...
プロ野球がキャンプインした頃はあんなにワクワクしたのになあ...
さすがのリネンも、そう思わざるを得ません。
これでよいのでございましょうか。
病人を助ける医療従事者でもない、
特効薬を開発する研究者でもない、
経済対策を考える政治家ですらない、
単なる一般人である我々にできるのは、とにかくウィルスにかからないことだけ。
あの頃はよかったと、
どーーせコロナ前の世界を懐かしむのなら!
全力で、フルスロットルで懐かしんで!
幸せの記憶をシナプスで、繋いで繋いで繋ぎあげて!!
免疫力が爆上げするレベルで、懐古してやろうじゃねえかコノヤローー!!!
緊急事態宣言が発令される直前に、今年の誕生日を迎えたリネンは、
41歳にもなってママンに「たいこのケーキ」を焼いてもらっておりました。
どっしりーー★ーーふんわり
甘ったるいーー★ーーほのかに甘い
家庭的★ーーーーオサレ
これがまさに、リネンにとってのチーズケーキ元標。
ここを起点に、41種類のチーズケーキを食べ歩く旅程《ジャーニー》に出ようじゃありませんか。
それは、チーズケーキを呼び水として、幸せのシナプスを強化する道のり。
あ、感染対策も必要だから原則テイクアウトでね!
...とか思ってるうちに、あれよあれよと情勢は動き、
人が集まりそうな商業施設は次々と休業。
ケーキをテイクアウトしようにも、開いてる店がない。
負けはせん...
負けはせんぞぉーーー!!
タグ:ベイクドチーズケーキ 自家製
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