19 青島【中国】 [37歳:ビール]
ちなみに肴は、五十番の肉まんとシュウマイです。
ほろにが度:★★★☆☆
いい香り度:★★☆☆☆
青島都知事がチンタオって呼ばれてたのを思い出す度:★★★★★
残念ながらというかなんというか、
「メイド・イン・チャイナ」という言葉が、ポジティブな意味で使われることは、
昨今、あんまりないように思います。
その評価が妥当か不当かは置いておくとして、
「アメリカならバドワイザー!」「イギリスならギネス!」ってのと同じように、
「中国のビールと言えば、青島!」と、
外国にまで知れ渡っている銘柄があるとゆーのは、
なにげに素ン晴らしいことだと思います。
やるじゃん中国!
サクッとグビッと飲める、ライトな感じです。
わりとしっかりほろ苦く、
甘いような旨いような味が、舌の真ん中にポワンと乗っかります。
肉まんの皮の甘さ・シュウマイの玉ねぎの甘さと合わせたら、
苦さが際立っちゃうかな・・・
と思いきや、あら不思議!
肉まんやシュウマイをかじってからビールを飲むと、
肉の脂をさっぱり洗いつつ、なぜかわずかに、リンゴのよーなフルーティーさが!
いったいどこに隠れてたんだ!
「わずかに感じた(ような気がする)リンゴっぽさ」を確認しようにも、
あっと言う間になくなってしまった、飲みやすい青島ビール。
やるじゃん中国! 旨いぜ中国! 巨龍中国!
18 ドラフトギネス【アイルランド】 [37歳:ビール]
ちなみに肴は、生ハムとレタスとゴーダチーズのオープンサンドです。
ほろにが度:★★★★☆
いい香り度:★★★★☆
注ぎ方これで良かったんだろうか度:★★★★★
うおっ!!
コーヒー牛乳!
注ぎ口からコーヒー牛乳が出てきた!!
・・・と錯覚するほどに、黒いビールと白い泡が、
カフェオレ色に混ざりあいながら、グラスに放たれます。
やがて、たゆたいながら泡は上に舞いのぼり、
雪のような白と黒檀のような黒が、パキッとコントラストを描く・・・
缶の中にプラスチックのボールが入っており、
「誰が注いでも、クリーミーな泡が作れます!」という触れ込みなのですが、
そして実際その通りで、そりゃあキメ細かい泡が出来たのですが、
写真映えとゆー意味でも、もうちょっと泡を立てるべきだったかな?
一口飲むと、リネンの脳は「醤油!」との判定を下しました。
アンバーエール類の香りを「めんつゆっぽい」と脳が判定してしまうことは過去に述べましたが、
その上位種、とゆーことのようです。
当たり前ですがしょっぱくはありません。
香りも強けりゃ苦みも強い。
ほどよくアク抜きしたゴーヤのような、
ガンガンにフルボディなコーヒーのような苦みが、舌全体を包みます。
それでいて、舌の上をとろ~んと流れる感触が、
なんだか眠気を誘う・・・んだ・・・
ネットで見かけた牛乳割りも試してみました。
ますますとろ~ん、たゆ~んとして、
「カルアミルクは好きだけど、あんなに甘くなくていい」という人に試して欲しいお味です。
単なる飲み物にとどまらず、
アイルランド料理においては一種の食材・調味料として扱われる。
それも納得の、ものすごい個性でございます。
17 コロナ・エキストラ【メキシコ】 [37歳:ビール]
ちなみに肴は、アルファ米のドライカレー(会社で配られた非常食)で作ったカレードリアです。
ほろにが度:★★★☆☆
いい香り度:★★☆☆☆
コロナと言えばライム、とゆーのをすっかり忘れてたのでそのまま飲む度:★★★★★
昨今のようにクラフトビールやら何やらが流行る前から、
「外国のビール」代表格をつとめていた印象のあるコロナです。
栓を開けると、何やら甘いような青くさいような、いい匂いがしますなあ・・・
それなりにきちんと苦くて、酸味のような味もして、
それが・・・
チーズに! チーズによく合うったら!!
チーズのこってりさと油っぽさに、コロナのほろにが爽やかさがナイスアシスト!
そして全体をまとめながら彩るカレーのスパイシーさ!
いやそりゃあビールなんだから、チーズに合うのは当然だけれども!
今回はドライカレーでしたが、
チーズをテンコ盛りにトッピングしたスパイシーなタコライスに、
そりゃもうさぞかし合うだろうなあ。
欧米のウェディングドレスも、
日本の白無垢や打掛も、
東アジアやインドによくある、絢爛豪華な赤い衣装も。
どこの国のどこの民族であろうとも、「花嫁衣装」とゆーものは、
その民族の娘さんが、いっちばん美しく見えるように、出来ているものです。
それと一緒で、酒とゆーものは、
その国の料理がいっちばん美味しく食べられるように、出来ているものです。
16 オランジブーン【ドイツ】 [37歳:ビール]
ちなみに肴は、カキフライです。
ほろにが度:★★★☆☆
いい香り度:★☆☆☆☆
オレンジ度:☆☆☆☆☆
黒ラベルやキリンラガーといった日本の「普通のビール」しか知らない頃であれば、
オレンジピールを使ったホワイトビールとゆーもんを知る前であれば、
よもや、ビールにオレンジ風味を予想することなど、なかったでありましょう。
そして「ああ、オレンジの樹は単にシンボルなのね」とか思うこともなかったでありましょう。
ここまで、ビールの味を表現するのに「甘み」とか「旨味」という言葉をたびたび使いましたが、
リネンの言う「甘い」は、一般に「コク」と呼ばれているものなのではないか・・・
真相は定かではありません。
その、甘さだかコクだかが、舌の真ん中にポンと乗せられる感じで、
とっても美味しゅうございます。
カキの苦みとビールの苦みがユニゾンしつつ、
フライの油とビールのサッパリさのコントラストが、メリハリを演出!
ドイツのビールは、日本でよく飲むビールに似ていて取っ付きやすく、
それでいてちょっと優しいようで・・・
美味しいですなぁ。
15 ヒナノ【タヒチ】 [37歳:ビール]
ちなみに肴は、サーモンとセロリのレモンドレッシング和えです。
ほろにが度:★★★☆☆
いい香り度:★★☆☆☆
「ヒナノ(可愛い女の子)」というタヒチ語と「雛」という日本語の類似に、日本人ポリネシア人ムー大陸の末裔説に思い馳せる度:★★★★★
タヒチアン・ポワソン・クリュという料理に着想を得て、
お魚系の食べ物を用意してみたのですが、
考えてみたらタヒチでサーモンは捕れないよね、きっと。
でも、これがなかなか悪くない食べ合わせでございまして。
生臭さが際立っちゃったらどうしようかとも思いましたが、
そのようなこともなく!
美しく透きとおる金色。
舌の真ん中で感じる、甘さと旨さ。
同時に、舌先でピチピチと弾ける炭酸・・・
まさに常夏の島の美少女!
南国に相応しい軽やかさ!
サーモンの脂の甘さ旨さ、セロリやレモンのキリッとした芳香が、くぅ~~~!
タヒチ料理のレシピを検索すると、ココナッツミルクを多用しているみたいなので、
ココナッツカレーとかも合うんじゃないかと、試してみたくなります。
14 ヒューガルデンホワイト【ベルギー】 [37歳:ビール]
ちなみに肴は、永谷園のヤツを使って作った炒飯です。
ほろにが度:★☆☆☆☆
いい香り度:★★★☆☆
瓶底に酵母が沈んでるのでそっと振って混ぜるんだけど、そのせいでビール噴き出さないか杞憂する度:★★★★★
日本で手軽に買える小麦ビールの代表格です。
さぞかしシトラス系の匂いがするんだろうなぁ・・・!
と思って一口飲んだら、
リネンの脳はまず「ハチミツ!」という単語を引っ張りだしました。
続いて「ナッツ!」。
ハチミツやナッツの風味がする、という意味だったのか、
ハチミツやナッツをツマミにしたい、という意味だったのか、
飲み終わった今でも判然としません。
とにかく、脳のハチミツ野とナッツ野にシナプスが繋がったのです。
ただひとつ言えるのは、
肴に炒飯は、正直イマイチだったかなーと。
別に悪いことはないのですが、炒飯とビールの相乗効果は、特にありません。
そこで、先に炒飯を食べ終わってから、
デザート的な感じでヒューガルデンを飲む作戦に切り換えてみました。
これは大正解!
炒飯の油をたっぷりと楽しんだ舌に、爽やかな風味が心地好い!
試しにかじったアップルパイクッキーは、
味が強すぎて、ヒューガルデンを食ってしまいました。
・・・やっぱりナッツあたりを肴にすると、いい感じかも?
13 ラ・パリジェンヌ ブランシュ【フランス】 [37歳:ビール]
ちなみに肴は、ターキーとマッシュポテトのパイですが、温め直す際に焦げました。
ほろにが度:★★★★☆
いい香り度:★★★☆☆
ラベルが可愛くてモナム~ル度:★★★★★
可愛いワンコを前カゴに乗せ、銀髪とワンピースをなびかせながら、
颯爽と自転車をこぐステキなパリジェンヌのラベル。
ブランシュ(白)ってことだし、
さぞかし軽やかで爽やかでトレビアンな飲み口なんだろうなあ・・・♪
と思って開栓したところ、なんの加減だったのか、
そこそこの量のビールが泡となって噴き出してしまいました。
そらもう、泉のよーにこんこんと。
気を取り直して、いただきます。
あっ苦ッッ!!
思ったよりガッツリほろ苦いよマドモアゼル!
パイは焦げるし、
ビールはこぼれるし、
おまけに苦いし。
パリジェンヌを明るくナンパしようとして、すげなく肘鉄喰らったら、
こんな気分でしょーか。花の都は甘くない。
とは言え、最初はちょっと驚いたけど、
飲んでると、やっぱりすごく爽やかな味がしてくるんですよ。
わざとらしくない、それでいて確かなシトラス感?
愛され系の華やかさと、我の強さの両立。
フランスのイメージ(個人の感想です)そのものかも。
12 イネディット【スペイン】 [37歳:ビール]
ちなみに肴は、1本オトナ買いしてしまった生ハムですが、前脚の部位なので厳密にはハム(後脚)ではないのかも知れません。
ほろにが度:★★☆☆☆
いい香り度:★★★★☆
ラベルがサッポロビールっぽい度:★★★★★
なんでも、世界トップクラスに有名なシェフが手がけたビールで、
「セレブをお迎えするための、シャンパンのよーなビール」だそうで、
「ビアジョッキで飲むな、ワイングラスかシャンパングラスを用意せよ」とのことで、
リネン愛用のグラスは、まあフルートグラスに見えないこともない気がするので、
これでいいことにしてもらって・・・
おお!
マーマレードの匂いがする!
苦みと甘みとオレンジピールの匂いが混ざって、
すなわちマーマレードの匂いなんですなあ。
鼻にむっふーと抜ける香りは、
わずかにリンゴジュースのようでもあり。
「シャンパンのよう」という形容も納得のフルーティーさですなあ。
ただ、マーマレード香にしてもリンゴジュース香にしても、
けっこうデリケートで繊細なので、
ハムカツだのナンコツ揚げだのタコのザンギだの、
ビールにありがちな揚げ物系の肴を用意すると、
酒が肴に負ける可能性はあるかも知れません。
それこそ、シャンパンに合わせるような肴がちょうどいいのではと。
「・・・だったらシャンパン飲めばいいのでは?!」となりそうなもんですが、
フルーティーでありながら、ブドウで作るシャンパンのようには甘くない、
という点が、このイネディットの強みなんじゃないでしょうか。
言うまでもなく、リネンが普段飲みつけているのは、
「シャンパン」ではなく「スパークリングワイン」ではございますが。
11 モレッティ ラ・ロッサ【イタリア】 [37歳:ビール]
ちなみに肴は、揚げギョウザです。
ほろにが度:★★☆☆☆
いい香り度:★★★☆☆
アルコール7.2度ってなにげにエグイ度:★★★★★
あっ!
これ、あれだ!
「めんつゆっぽくはないんだけど、めんつゆっぽい」あの味!
複雑な香りと、甘みと、旨味がブレンドされたこの味を、
紹興酒の遠い遠い親戚ですってな感じのこの味を、
リネンの脳は「めんつゆっぽいアレ」と記憶してしまったようです。
詳しい方々のレビューを検索して見るに、
これが一般に「カラメル香」と言われているヤツなのかな・・・と思うのですが、
真相は定かではありません。
「苦みが強い」みたいなことが書いてあるレビューも多かったのですが、
リネンはなぜか、苦みはあまり感じませんでした。
舌全体をどりゃー!!と包む苦みではなくて、
舌の付け根の両側で感知するウマ苦さ・・・という感じでしょうか。
それより酸味がイチバン目立つ気がするなぁ。
フルーティーなトコあると思う。
イタリアのビールなのでイタリア風の肴が用意できたら・・・と思ってたんだけど、
「ギョウザは中国のラビオリだから!」という理屈で押し通ります。
10 ミスティック・チェリー【ベルギー】 [37歳:ビール]
ちなみに肴は、ぶぶあられクランチチョコ「ユーロの雷」です。
いい香り度:★★★★☆
ほろにが度:☆☆☆☆☆
コーラかな?度:★★★★★
美味いッッ!!!
色も美しく、
甘酸っぱく、
アルコール度も低くて(3.5度)、
ぐびぐび飲めます。
そう、それこそ、
暑い夏に、コーラやファンタを冷やして飲むような感じ。
「肴」というより「オヤツ」って感じのものが食べたいですね。
正直、ビールを飲んでるという感はしません。
ビール党のおじ様たちにとっては邪道に見えるのかも・・・
しかし、若者の○○離れとか言って、
ありとあらゆるものから離れようとする(とされる)若者を引き止めるのは、
案外、こういうバリエーションなのかも知れません。
苦みを楽しめない人はビールを飲んではいけない、という呪縛から、
我々を解き放つ、自由のフルーツビア!